'17.3.1 サイコパスと芥川賞
昨年の芥川賞はコンビニ人間が受賞した。作者の実体験に基づく
コンビニ店員の日常をリアリティーに、奇怪とユーモアで、描いた作。
審査員の山田詠美先生曰く、十数年選考委員をして笑ったのは
初めてと。あれれ?変ですね。「芥川賞」は大衆文学でなく純文学
のはず。芸術的な感興作が対象のはず。それ故にあまり面白くな
かったではないか。それがこう来たかという感じ。時の流れのせいかな。
ただ、お付合い程度に最後の数行だけは先祖帰りしていた。蠢く
というなじみのない文字とそれらしき言い回しで・・。とまれ選考委員
の多くが絶賛して受賞の運びとなった由。確かに面白い。
当然ネットの世界で話題になったので二つ紹介する。先ずはAmazon
から、表題は、コンビニの一部と化したときに、がぜん機能する人の話。
面白いといえば面白いのですが、別段、新鮮味を感じるでもありません。
大々的にヒットするほどのお話ではない。芥川賞ってこんなもんで良い
のかな、という疑問が残ります。同賞の受賞作ならば「圧倒的」に面白
くあってほしいのです。個人レベルで最大級の満足作品が、☆5とした
際に、そこから逆算して、更に世の過大評価にヘソを曲げての☆2つ。
次に質問・回答のサイトから
どんな作品が芥川賞に選考されますか?への答え。
やたらと比喩をぶちこむせいで一文が長く、昭和か!大正か!と突っ込
みたくなる古臭い文章が特徴。決して大きなことは起こらずちょっとした
出来事を書き、最後は虚しい終わり方の小説、がよく受賞する。
例えばこのような、やや独善的な筆タッチ(?)を審査員は好む。
冬の朝の事である。牛飯屋に赴き、食券を買う。普段は薄給の者が
迷わず選ぶ牛飯を喰らうのであるが、水たまりが鉛筆で光らせたように
凍える朝である。こんな日に牛飯など食べてられるか。なかばやけっぱち
で、ライスカレーのボタンを、なかなか朱肉がつかないハンコでもあるかの
ように憎々しく押した。
本題に戻って
今テレビで連日、トランプの過激な言動や金正恩の極端な粛清が報道
されている。実態社会への影響が大きいからだけではない。犬が人を噛ん
でもニュースにならないが、人が犬を噛んだらニュースになる、面もある。
人はアチラ側のサイコパスを見てコチラ側の自分に安堵する。前記の客山
思考('17.1.25付)の歓迎しないお客様、コンビニ人間の主人公、ついでに
文壇のエライ先生方もアチラ側に押し込めよう。 え?私もですか (^o^)
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